シニアの健康術

年齢を重ねるごとに様々な身体的変化が訪れます。
そのために生活習慣の改善や体操などを様々な工夫をして頑張っておられるかと思います。
これから連載されます「シニアの健康術、一点の工夫で10倍効果」は、今まで皆様が苦労されてこられた健康術に1点だけプラスしていただき、劇的な効果を得ていただくものです。

コツは簡単にすぐできる1点のみ

今までの指導経験（約40年）から、これから公開する内容は80歳を超えた年齢の方でも十分に効果がありましたのでご期待ください。
連載は、「動作編」「体操編（ストレッチ・筋トレ含む）」「姿勢編」の3つの観点から解説いたします。

解説はなるべく詳しくいたしますが、すべきことは毎回簡単な1点のみです。
誰でもできる1点のコツ（私は極意と呼んでいる）ですが効果は絶大です。
シニアの方は当然として、子供から全年齢を対象に検証済みです。

本当のコツは複雑ではありません。
ぜひご期待ください。

記念すべき第1回は日本人の最大の悩み「腰痛」です。
日本は世界的、肩こり腰痛大国であることはご存じでしょうか？

ギックリ腰などの腰痛を引き起こす動きとは？

唐突ですが、シニアのスポーツの中でゴルフの危険度が意外と高いのをご存じでしょうか？
ゴルフは息が切れるような有酸素運動のイメージがありませんから不思議ですよね。
様々な説があるとは思いますが、
打つ瞬間に一旦静止し、その後急激に動き出す、この落差が身体的負担になります。

ずっと動き続けるランニングより、静止状態から力を入れて動き出すゴルフのスイング動作の方が体の負担は大きいわけです。
「動→動」ではなく「静止→動」です。
息切れしていないので意識や感覚は動き続ける方が負担を感じやすいですが、実は「静止→動」の身体的負担の方が大きいのです。

実はこの「静止→動」の動きこそギックリ腰を含む腰痛を引き起こす動きの正体です。
特に重いものを持つとき
「せーの、よいしょ」「1、2の3」などの掛け声が有名ですが、「せーの」の「の」で静止していませんか？
持つものが重いと思えば思うほど、一瞬、足を踏ん張り呼吸を止めて、それから持ち上げていませんか？

自覚のない方もいらっしゃるかもしれません。

ゴルフの例でお話ししたように、「静止→動」という風に、動作が一瞬止まってしまうことが、意識下になくても体にとっては大問題です。
本来、体全体に分散すべき物の重さが腰の一点に集中してしまいます。
蓄積すればギックリ腰です。

腰痛を引き起こさない動作のコツ

ではどうすればよいのでしょう？
答えは簡単です。
物をもつ動作から「静止」状態をなくせばよいのです。
一番簡単なやり方は「足踏み」です。

物を持つ前に「足踏み」を開始し、物を持つ瞬間も「足踏み」をやめずに「足踏み」した状態のままで物を持ち上げる、です。
持ち上げた後は当然移動しますから「足踏み」はいりません。
今回はこの1点です。
〇足踏みをしながら物を持ち上げる。

これだけで物を持ち上げることによる腰痛とはさよならです。
持つ直前、1秒前からの「足踏み」開始でOKです。
もちろん呼吸も止めずに行えばなおベターです。

「せーの、よいしょ」よりもお好きな歌を口ずさんでいた方が良いでしょう。
漁師さんが魚がいっぱいになった網を「ソーラン節」など歌いながら引いていたのは素晴らしい知恵と思います。
歌うことで静止状態がなくなりますからね。
ゴルフも静止状態を作らなければ安全なスポーツです。

再度確認です。
動きの中に静止状態を作らないでください。
体をもぞもぞとしているだけでも効果があります。
ぜひ、日常・職場で取り入れて「腰痛」のない健康長寿を堪能していただければ幸いです。

番外：スポーツにこの秘訣をとりいれたい方のために

スポーツなどに、この「静止状態を作らない動作」をとりしれたい方のため参考までに記します。

初級：足踏みをしながら動作する。（簡単、だれでも即可能、今回の解説）
中級：胸郭か骨盤を先行して動かす。（ちょっと練習が必要）
上級：関節（特に手足）を緩めて体全体が揺らぐ

ここまでお読みいただき有難うございます。
では次回もご期待ください。

よくある質問FAQ

杉原政則

この記事の執筆者
東京在住-武道歴40年（現極真空手五段師範）
コミュニティセンターのホームページ制作に関わって8年。空手・古武術・合気道・総合格闘技などジャンルを超えて身体動作を追求。マンションの理事長を17年続けてる一方で、幼年からシニア（80歳以上含む）幅広い年齢層に対して道場、学校、体操教室などでの指導経験をもつ。年齢に関係なく正しい動作改善により健康（腰痛、膝痛など）・パフォーマンスが劇的に変わることを教える。

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