信頼は“日々の積み重ね”から 管理員・コンシェルジュ”二刀流”の流儀

コミュニティセンター便り第120号-2025年8月1日発行
更新日:2025年8月1日
多くの方々の人生100年時代の新しい働き方(ダブルワーク ・ フリーランス) の実現のために、月刊ニュースレター 「コミュニティセンター便り」をお届けします。第122号では、 都内で管理員およびコンシェルジュとしてご活躍されるTさん (71歳) をご紹介します。
目次
Q.これまでの経歴を教えてください
アルバイトとして新聞会社に入社し、そのまま「整理記者」として勤務しました。整理記者という職種は、あまり耳なじみがないかもしれませんが、取材記者が書いた記事の校正やレイアウト作成、見出しの作成などを行う仕事です。
キャリアの終盤には管理職となり、現場を離れてマネジメント業務を主に担当していました。その後、知人の勧めで派遣会社に入社し、業務委託として仕事をしていました。
時間に余裕ができたタイミングで、空いた時間を有効活用したいと考え、大手管理会社で管理員業務に就きました。長年マンションに住んでいたこともあり、管理員の仕事には馴染みがありましたし、理事長の経験もあります。マンションでの生活経験が長い分、居住者の目線に立って仕事ができる点は大きな強みでした。
Q.コミュニティセンターに登録した経緯は
当時、代行会社から代務の方が来ており、「代行管理員の仕事ってどんな感じなのだろう?」と興味を持つようになりました。ちょうどその頃、コミュニティセンターの募集広告を見かけて、「やってみようかな」と思い、2023年4月に登録しました。
もともと街歩きが趣味なので、代行でいろいろな場所に行けるのはとても楽しいですね。以前訪れたことのある街から代行依頼が来ると、「久しぶりに行ってみようかな」という気持ちになり、自宅から少し遠くてもつい引き受けてしまうことがあります。
Q.コミュニティセンターの研修はどうでしたか
管理員の経験があったため、研修は1日でした。ただ、これまでの経験の中で「できているつもり」になっていたことや、実は正しく理解できていなかったこともありました。たとえば、箒の持ち方など、自己流でやっていた部分も少なくありませんでした。そうした点を、プロの講師の方から丁寧に教えていただけたのは、とても良い機会だったと思います。
Q.現在の働き方について教えてください
現在は、管理員とコンシェルジュの“二刀流”で働いています。管理員としては高級マンションを中心に、代務の依頼を受けて複数の物件に入っています。コンシェルジュとしては、週1〜2回、特定の物件で定期的に業務を担当しています。
登録当初は月に12〜13日程度の業務を想定していたのですが、ありがたいことに多くのご依頼をいただいており、実際は月に15〜16日、時にはそれ以上働くこともあります。指名で代行の依頼をいただくこともあり、皆さんから信頼していただけているのかな、と嬉しく感じています。
Q.マンション管理員の仕事をするにあたって気を付けていること
管理員の仕事は基本的に一人で行う業務なので、常に自分で判断し、行動する力が求められると思っています。
私が長年マンションに住んでいることもあり、居住者の立場から「ここが気になるな」というポイントが分かります。清掃ではそういった視点を活かし、特にエントランスやアプローチ、ゴミ置き場など、人目につきやすく衛生面でも重要な場所は、重点的に丁寧に清掃するようにしています。
また、引継ぎ時に得た情報はしっかりとメモを取り、スマートフォンのスケジュール帳に記録して忘れないようにしています。ゴミ出しや入館に関するルールは必須事項ですね。
さらに、業務中に居住者の方から受けた質問や気づきをその都度メモし、次回の対応に活かせるよう心がけています。小さなことでも積み重ねていくことで、より信頼される管理員を目指しています。
Q.マンションコンシェルジュの仕事をするにあたって気を付けていること
コンシェルジュ業務では、複数人でシフトを回します。まずは物件内で何が起きているのか、どのようなやり取りがあったのかを把握しておくことで、スムーズに業務に入ることができます。
気になったことや改善点があった場合は、相手が嫌な気持ちにならないように、言い方に気を付けながらさりげなく共有するようにしています。「こういう点に気づきましたよ」といった形で、自然に伝えることで、お互いに気持ちよく仕事ができるように心がけています。
また、「コミュニティセンターのスタッフ全員が、同じスタンスで質の高い業務ができることが理想」という思いを持っており、自分の気づきを惜しみなく共有するようにしています。そうした積み重ねが、チーム全体の信頼や品質向上につながると考えています。
Q.ポリシーは
「仕事はできてあたりまえ、やってあたりまえ。言われる前に動く」ことを常に意識しています。また、感情的にならず冷静に対応することも、プロとして欠かせない姿勢だと考えています。
現場では、時に線引きがあいまいな場面に遭遇することもありますが、そんな時もまずは
「受け入れる姿勢を見せる」
ことを意識しています。そのうえで、状況を見極めて判断するようにしています。
「人に迷惑をかけない」ことも、常に心に留めている大事な考えのひとつです。
個人事業主という立場ではありますが、私はコミュニティセンターの一員です。自分の行動が会社全体の評価にもつながるという意識で、責任ある行動を心がけています。
Q.会社から発信されている「【重要】鍵の取り扱い(インロックの完全防止へ)」についてどう思われましたか
鍵の事故を起こすことは、とても恥ずかしいことだと感じています。今回のように、会社から何度も注意喚起されるのは、それだけ件数が多いということでもあり、少し心配にもなります。注意されることに慣れてしまい、意識が薄れていかないか…という懸念もあります。
だからこそスタッフ全員が、改めて気を引き締めてほしいと思っています。私はOJT担当として新人指導もしていますが、最初に必ず「鍵の取り扱いの重要性」について話すようにしています。
事故防止のためには、会社からの通達に記載のあった通り、物件に入る前に紐鍵ホルダーを洋服に装着し、鍵を取り出したらすぐにホルダーに取り付ける——この基本の手順を確実に守ることに尽きます。紛失やインロックなどの事故を起こすことは、個人的にも絶対に避けたいと強く思っています。
Q.後進の方へのメッセージ
これから管理員に就く方には、「新しい仕事に挑む」という意識を大切にしていただきたいと思います。前職でどのような役職や立場にあったとしても、一度それらをリセットし、ゼロから学ぶ姿勢で取り組むことが大切です。
この仕事に必要なのは、謙虚さと素直さ。この2つがあれば、どんな現場でもしっかりとやっていけますし、居住者の方や周囲のスタッフとの信頼関係も自然と築かれていきます。
「自分にできるだろうか」と迷っている方もいらっしゃるかもしれません。最初は不安があって当然。でも、勇気を出して一歩を踏み出せば、きっと自分なりのやりがいが見つかるはずです。

この記事を書いた人
株式会社コミュニティセンター社長室長
コミュニティセンター便りの取材に携わって4年、最近は原稿のデザイン制作や動画制作を一手に引き受けている。取材の時は物件を訪れスタッフの生の声を聞き、管理員業務のやりがいや楽しさを伝える無類のワイン好き スタッフとはいつもお酒の話で盛り上がっている。
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