マンション管理員は 「人」 と接する仕事 相手を想って対応する 「気遣い」 が大切
コミュニティセンター便り第134号-2026年8月1日発行
更新日:2026年8月1日
第134号では、都内で活躍されているTさん(72歳)をご紹介いたします。

Q.これまでのご経歴は?
大学卒業後は、営業や販売、サービス業など、ずっと立ち仕事が中心でした。自分でもじっとしているより体を動かしているほうが向いていると思っています。一番長く勤めたのは電気販売の仕事です。永福町や、都内複数の店舗で働きました。15年ほど勤め、多くのお客さまと接しながら接客や販売の経験を積みました。
その後、最後の職場となったのが都内のそば店です。もともとは店舗物件を探す営業職として入社したのですが、「そばの作り方を知っていて損はない」と言われ、営業でありながら店舗に入り、そば作りを一から学ぶことになりました。立ち食いそば店でも実際に働き、そばを茹でたり、名物だったかき揚げを揚げたりと、厨房の仕事も経験しました。
かき揚げは師匠から直接教わり、多い日には1日500個揚げることもありました。「営業職なのに、なぜ毎日そばを茹でているんだろう」と思うこともありましたが、今では良い思い出です。
Q.マンション管理員になったきっかけは?
60歳で会社を定年したあと、「フルタイムではなく、 週に何日か、自分のペースでできる仕事はないかな」と考えていました。
そんなとき、知人から「マンション管理員の仕事はどう?」と勧められたんです。仕事内容を聞くと、適度に体を動かすことのできる仕事だったので、「自分に合っているかもしれない」と思い、管理員代行を中心に行っている会社に登録しました。
そこで約3年間、代行管理員としてさまざまな物件を経験し、マンション管理員としての基礎を身につけました。
Q.コミュニティセンターとの出会いは?
6年前に、コミュニティセンターの募集記事を見つけたことがきっかけです。 登録する際に気になったのは、ダブルワークができるかどうかでした。面接担当の方に確認したところ、「ダブルワーク可能です」と言っていただき、その自由な働き方ができる点にも魅力を感じ、登録を決めました。
私には双子の孫がおり、保育園時代は、管理員の仕事を終えたあとに迎えに行くなど、家族のサポートもしていました。家族との時間を大切にしながら仕事ができることも、長く続けられている理由の一つです。
Q.マンション管理員として、今はどのような働き方をされていますか?
週2~3日、土曜日も含めて仕事をしています。よく代行に行く物件は55戸ほどの中規模物件です。普段の業務は一般的な管理員業務と大きく変わりませんが、マンションの周囲に街路樹が多くあるため、落ち葉の季節は大変です。11月頃になると、半日で70リットルのごみ袋が5袋いっぱいになることもありました。
マニュアルや物件ルールに沿って業務を行うことを基本とし、「ここまで」と線を引きすぎず、気が付いたところは自分から手を動かすようにしています。
Q. マンション管理員としてのポリシーは?
常に気遣いを忘れず相手を思いやること、居住者の方に信頼してもらえるように行動することです。
居住者の方との信頼関係ができれば、「あそこにクモの巣があるよ」「ここが気になるよ」と教えていただけるようになります。そのときは「ありがとうございます。すぐに対応しますね」とお伝えして、できることはすぐに行動するようにしています。
以前、自転車がパンクしたので「防犯カメラを確認して欲しい」と相談を受けたことがありました。そのため、まずはお話をしっかり伺ったうえで、「私が管理会社のフロントさまに確認しますね」とお伝えし、ルールを守りながら対応しました。
マニュアルはもちろん大切です。ただ、居住者の方は「人間」です。それぞれに感情があり、マニュアルだけでは対応しきれない場面もあります。だからこそ、ルールを守るべきところはしっかり守りながら、相手に寄り添って対応することを心掛けています。
営業や接客の仕事で身についた経験も、今の仕事に生きていると感じます。相手の話をよく聞き、その気持ちを受け止めながら対応する。それが結果的に信頼関係につながり、クレームを防ぐことにもつながっているのではないかと思います。
Q.マンション管理員の経験のなかで印象に残っている出来事は?
一度、居住者の方から「毎日廊下を清掃していないじゃないか!」とお叱りを受けたことがありました。 もちろん、清掃は毎日行っています。廊下を必要以上に濡らすと滑ってしまい危険ですので、安全面にも配慮しながら作業をしていることをご説明しました。
その後は出身地の話などで会話が弾み、最後はご理解いただくことができました。後日、その居住者の方から「あなたに毎日来てほしい」と言っていただけたことは、とても印象に残っています。
Q.マンション管理員として、今後の目標は
都営住宅に住んで3年目なのですが、そこの役員を任されてしまって、思っていた以上に忙しい毎日を送っています。今は午前中の業務を中心に受託しています。これからも地域とのつながりを大切にしながら、自分のペースで仕事を続けていきたいです。
Q.これからマンション管理員を目指す方へメッセージをお願いします。
マンション管理員のお仕事は、マニュアルとルールを守ることは大前提として、それだけでは対応できない場面がたくさんあります。居住者の方は一人ひとり違いますので、状況に応じて臨機応変に対応できることが大切だと思います。
そして先ほどお話した、「気遣い」ができる人は、この仕事に向いているのではないでしょうか。相手の気持ちを考えながら行動できれば、自然と信頼関係も築けます。難しく考えすぎず、「人と関わる仕事である」ということを忘れず、まじめに仕事に取り組んでいただけたらと思います。

この記事を書いた人
株式会社コミュニティセンター コーポレート部門 広報部長
社内報「コミュニティセンター便り」の企画・原稿作成・構成を担当。スタッフの声を聞き、マンション管理員の仕事の魅力や、やりがいを広げる記事づくりを心掛けている。プライベートでは双子の母。
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